令和2年(2020年) 3月 NO.13

日本忌部紀行 “忌部(INBE)を行く!”

忌部文化研究会 会長 林 博章

 会員の皆さまには「忌部」の足跡を楽しんでもらう目的で、“忌部を行く”を連載しています。阿波国(粟国)を拓き、日本各地の創生に活躍した阿波忌部の足跡を辿っていきます。中でも阿波忌部が麻を植えて拓いた故事にちなむ旧麻植郡(現在の吉野川市)の伝承地を紹介したいと思います。鴨島町編の3回目は、牛島の「三郡境石」です。

牛島の「三郡境石」

●場 所 - 吉野川市鴨島町牛島

 吉野川市鴨島町牛島の「杉尾神社」の北、石井鴨島線の北の民家前に「三郡境石」は建てられている。この辺は吉野川の洪水常襲地帯で洪水のたび田畑が流され村境も分からなくなり紛争が生じていた。そこで阿波藩は延享2年(1745年)、名西郡高原村、瀬部村、板野郡西條村、麻植郡牛ノ島村の役人を召しだし、評議の結果、「三郡の三ツ境」「四カ村の四ツ境」としてこの境石を建立した。