7月7日(土)~9日(月)の3日間、ヴィジュアルフォークローワ代表・映画監督の北村皆雄は、早稲田大学アジア研究所招聘研究員もつとめ、NHKスペシャル「チベット大紀行」の撮影等で世界的に知られる人物で、日本の民俗学に精通している。その北村監督の依頼が研究所に来て、日本文化の源流となる「カヂの道」(仮タイトル)の撮影を受けることになった。
 阿波忌部の麻のみならが、カヂ文化を黒潮ルートで日本各地に伝播させたのだが、そのカヂの源流は東南アジアにあり、黒潮ルートで日本列島へ運ばれたとされる。それを忌部族が諏訪大社のある信州や東国(関東)に伝播させた。麻やカヂは紙の原料ともなったので、阿波忌部の祖神・天日鷲命は製紙の祖神として崇められた。ようやく、研究所が設立趣旨として提示した東アジアを舞台とする忌部をキーワードとする本格的な研究の初端が始まったといえる。
 北村監督以下調査・撮影メンバーは5名。7日は大麻比古神社社務所でのインタビュー、夜は近くの民宿・観梅苑でのレクチャー。8日はカヂを運んだ阿曇族に関わる神社や忌部関係の古社を撮影。9日は美馬市・つるぎ町の忌部関係の神社やカヂ由来の地を視察・撮影した。
 このカヂはコウゾと後世に交配したため、原点が分からなくなり、カヂ(コウゾ)は並記されることとなった。その原種は美馬市穴吹町で今回確認され、大きな研究の第一歩となった。


徳島市国府町和田の阿曇族ゆかりの「和田津美豊玉比売神社」での撮影



吉野川市山川町の「忌部神社」での撮影



山川町の高越山(木綿麻山)の撮影



美馬市穴吹町首野の忌部の「白妙工房」の撮影



つるぎ町一宇での撮影



穴吹町で発見されたカヂの原種