吉野川市山川町川田は、阿波和紙の里で、阿波和紙伝統産業会館がある。その阿波和紙は、天日鷲命を祖神とする阿波忌部氏が創始したとされ、日本の製紙の祖神として日本各地で崇められている。阿波忌部が職務とする麻・カヂは紙の原料となったのだが、その紙はカミであり、神具の御幣から始まったと見られる。
 皆瀬は、天日鷲命が製紙の原料となるカヂを植えた梶植にあるとされる。その上の標高約400m付近には天日鷲命が最初に紙を漉いたと伝わる紙漉集落があり、最上部に山神社(紙漉神社)が祀られている。その「山神社」は巨石の磐座と立石(メンヒル)と石神殿からなる神代の古代遺跡であった。
 3月12日に研究所会員と10年ぶりに訪問し、この紙漉の場所の意義と重要性、当地を起点に今後、産業振興を検討することで意見が一致した。


山川町の和紙会館



山川町皆瀬字紙漉の「山神社」



神代の遺跡