6月11日、勝浦川上流の葉っぱビジネス『彩』(いろどり)で知られる上勝町を訪問した。目的は、連絡をいただいた上勝町のあさかげ亭の元木利幸氏にお会いすることであった。元木氏は2015年に藍住町より移住し、樫原の棚田が一望できる絶好の景勝地であさかげ亭(上勝町生実)を経営している。元木氏は町の特産を利用した物産を開発し、上勝の魅力を発信し続けている。今年5月の徳島新聞には、阿波晩茶とユズ蕎麦の乾麺の開発が大きく報道された。


樫原の棚田は、標高500~700mの間に分布している。平成11年に日本の棚田百選に認定され、平成22年には徳島県で初めて国の重要文化的景観に認定された。


あさかげ亭に到着すると、忌部の末裔の方がお出迎えしていただいたのかと思う人が現れた。それは、忌部の象徴である榖(かぢ)の神紋を藍染めの前掛けにしている田上さんの登場であった。田上さんは、元徳島農業大学校の校長で、現在樫原の棚田を管理している。聞けば、昔から家に伝わっていた風呂敷を前掛けにリニューアルしたとのこと。東京渋谷の清水ときアカデミアで開催されるジャバンブルーの集い(8月7日)への出品を依頼すると快く了解していただいた。


あさかげ亭では、元木氏が用意していただいた藍を練り込んだ蕎麦をご馳走になった。また、上勝特産の晩茶を練り込んだ晩茶蕎麦も試食した。藍が蕎麦になるとは素晴らしいアイデアで、その美味しさにも感服した。今後、阿波藍のシリコンバレー構想の中に藍蕎麦の普及を目指すことを確認した。藍蕎麦は写真では灰色。