2025年10月・オブスタクル世界大会の開催へ
環境人類学博士 林 博章
□2028年に開かれるアメリカ・ロサンゼルスオリンピックで、近代五種競技の馬術に代わる新種目に、オブスタクルスポーツが導入されることが正式に決まった。オブスタクルは「障害物」の意味で、さまざまな障害物を突破してタイムを競うスポーツ。テレビ番組「SASUKE」などをヒントに生まれた。海外では軽快な身のこなしで、さまざまな障害物に果敢に挑む姿から「ニンジャレース」として紹介され、人気が高い。日本では、その運営組織として日本オブスタクルスポーツ協会(JOSA)が2023年に設立。そのJOSA常務理事・小笹康史氏と忌部に関わる縁で、松島組・松島清照会長(忌部文化研究所代表理事)は、2024年4月、鴨島町知恵島に、全長100mの敷地内に12の障害物で構成されるアジア唯一の常設施設「JOSA公認オブスタクルスポーツ吉野川コース」を整備した。


□2024年4月20日には、「オブスタクルスポーツデモ大会2024 in 吉野川」と題した国内初のデモ大会が開催され、フィリピンから来日したアスリートも含め、全国各地から約3000人が参集した。9月21日には、ケイン・コスギ氏が招かれ、「World Wellness weekend in オブスタクルスポーツ大会in 徳島」が開催された。翌10月13日には、JOSA主催の「第一回オブスタクルOCR100m日本選手権」が開催され、国内初のOCR100mの日本チャンピオンが誕生。この模様は、TBS等で全国放映された。
□そして今年、松島会長は、吉野川市を「世界の忍者の里」にすべく、競技人口の増加、地域振興の一環として、3月29日に「忍者イベント~阿波春の陣2025~」を企画・開催、オブスタクル体験会や忍者パフォーマンス大会等が行われ、大勢の親子連れの参加者で賑わった。三重県伊賀市や滋賀県甲賀市は「忍者の里」として知られ、国内外から大勢の観光客が殺到し、地域活性化の起爆剤となっている。同じく吉野川市も者の起源となる忌部修験道(山川町の高越山)の発祥地であることから、現代版の世界忍者を輩出しようとする目的で、今後もイベントを企画する予定である。
□4月19日には、オブスタクルコース誕生1周年として、「2025年OCR100m公式大会in吉野川」が開催され、県内外のみならず、海外からのエントリーも含め約100名が参加、高松市在住の久保樹さんが28.08秒の日本新記録で優勝した。これら一連の動きによる宣伝効果は大きく、吉野川市への移住希望者が出てくる等の効果を生みだしている。そして、10月18日、いよいよ世界選手権が吉野川市で開催される予定。アジア唯一の公認コースに、日本・世界の忍者アスリートが鴨島町に集結する。その道は、ロサンゼルス・オリンピックへと続いていく。吉野川市が日本のオブスタクルスポーツの聖地となる日は近いでしょう。
