忌部の歴史を語り継ぐ新作「忌部の里」つるぎ物語の披露

・2025年11月23日(日)、つるぎ町就業改善センターにて剣山系未来づくり実行委員会主催による忌部の里“つるぎ町”未来づくりフォーラム2025が開催され、のべ400名が集まった。
・その際、環境人類学博士(忌部文化研究会会長)の林博章氏が、この日のために作詞した廻り踊り(忌部踊り)で謡われる音頭の歌詞を披露した。それはフォーラムの最後で「廻り踊り保存会」により披露され、この音頭が後世まで語り継がれることになった。その記念すべき歌詞を紹介する。

新作 「忌部の里」つるぎ物語

作詞-林博章  作曲・編集 高木一永
端山公民館音頭教室(2025年10月1日完成)

[枕]

此処に説き出す演題は/渦潮高校の先生で/林先生の力作を/阿波の忌部の伝説を

受け持ち時間のある限り/一生懸命に努めます

[前段]

阿波の徳島 ありゃ昔から/忌部の国と/云われたり/昔も昔/その昔/つるぎの里は/忌部村

天日鷲(あめのひわし)の/神様が/ソラの大地を/拓(ひら)かれて 

美馬郡(みまのごおり)や/麻植郡(おえごおり)/「忌部の里」の/物語 

この場に集う/みなさんへ/心を込めて/読みあげまする

[忌部物語]

剣(つるぎ)の峰は/ありゃ険し山/そのふところに/抱かれて/露を集めて/流れたる

ここに流れる/木綿麻川(ゆうまがわ)/阿波忌部(あわのいんべ)が/川辺(かわべり)で 

麻や榖(かぢ)をば/晒(さらし)たり/衣服(ころも)を作りし/営みが/木綿麻の里の/由縁(ゆえん)なり

つるぎの里の/はじまりは/美馬郡(みまのこおり)に/降り立った/阿波の忌部が/拓きたる

歴史も深き/伝説と/忌部の里の/語り草

[貞光・吉良物語]

昔もむかし/ありゃその昔/忌部の社(やしろ)を/吉良の地に 

祀りし由縁(ゆえん)は/その昔/天日鷲(あめのひわし)の/神様が 

友内山から/馬に乗り/降り立つ所が/御所平(ごしょだいら)

そこに神代(かみよ)の/石祠(いしほこら)/鎮座している/清頭岡(きよずおか) 

吉良の桜は/エドヒガン/木屋(こや)の古寺(ふるでら)/東福寺 

昔も今も/里人は/忌部の歴史を/語るなり

[貞光・川見物語]

友内山は/あリゃ木綿麻山(ゆうまやま)/きれいな山を/見て惚れる/きれいな人も/見て惚れる

忌部大神/宿るとよ/伝えし歴史/受け継ぎて/友内神社を/作られた 

川見の由来は/その昔/忌部の神様/その下の/木綿麻の川を/眺め見て 

歌や踊りで/楽しんで/念仏踊りの/川見堂 

今も昔も/里人は/忌部の歴史を/語るなり

[貞光・家賀物語]

家賀(けか)の集落/ありゃその昔/まあ百軒ほども/あったげな/天日鷲の/こどもらが

祀(まつ)られ鎮まる/児宮(ちごのみや)/こどもの御墓(おはか)は/灰塚に 

忌部の長(おさ)住む/家賀の城 

忌部ゆかりの/西福寺/ソラの藍畑/名物に/ソラの景色と/称(たた)えられ

[一宇・忌部物語]

一宇の山は/ありゃ巨樹の山/天磐戸(あまのいわと)の/奥の院/神楽岩での/タジカラオ

アメノウズメに/スサノヲに/アメノコヤネに/フトダマと/忌部神楽の/舞を舞う 

世間を照らす/アマテラス/神話の舞台/現代に/松尾の宮で/引き継がれ 

年越し詣での/人々に/神楽お蕎麦を/ふるまえり

[半田・忌部物語]

つるぎおろしの/ありゃ風強し/半田の名物/おそうめん/半田漆器も/有名で 

土々呂(どどろ)の滝は 名所なり/天日鷲(あめのひわし)は 高地三所神社に/祀られる

於安御前(おやすごぜん)の/伝説と/忌部ゆかりの/神宮寺 

小野の浜は/川港(かわみなと)/煙草に藍に/そうめんや 

つるぎの産物/いろいろと/金毘羅(こんぴら)祈りて/荷を出して/その恩恵で/名物の

卯建(うだつ)の町が/できたぞよ

[阿波忌部開拓物語]

つるぎを拓いた/ありゃ阿波忌部/次に拓くは/東(あずま)の地/富命(とみのみこと)に/率いられ

阿波の忌部は/黒潮で/荒波こえて/波こえて/布良(めら)の港へ/たどり着き 

麻と榖(かぢ)植え/拓かれて/安房(あわ)のやしろを/つくられた/故郷(こきょう)に帰れぬ/さびしさに 

故郷(こきょう)の名前を/房総(ぼうそう)に/安房(あわ)のお国と/名付けたり

[廻り踊り物語]

廻り踊りの/ありゃ源(みなもと)は/やぐらの上に/傘立てて/楽しむことより/始まりて

阿波の忌部が/舞を舞う/一千年の/歴史ある/先祖とともに/踊るのよ 

平和な世の中/祈りつつ/供養をしながら/踊ります/おとこおんなの/出会いの場  つくる喜び/かみしめて/今日も楽しく/踊りましょう

[世界農業遺産物語]

ソラと呼ばれし/つるぎの里は/傾斜地耕し/畑(はた)作り/ススキを刈りて/コエグロに 

畑に敷きて/肥(こえ)として/農地を営む/伝統を/続けて千年/果てしなく 

日本の風景/作り出し/その農法を/国連に/申請すると/快挙なり 

世界農業遺産に/登録し/世界のつるぎ/となりました

子どもたちには/この文化/伝え継ぐのは/大人だと/意気ごみだけは/忘れまい

[歴史継承物語]

時は移りて/ありゃ令和では/心ある人/集まって/忌部の歴史/学びつつ 

新たな地域を/作るため/岩戸神楽に/フォーラムに/廻り踊りや/阿波踊り 

町人(まちびと)あげての/大祭(おおまつり)

忌部の里の/物語は/未来に続くよ/果てしなく

[結び]

長らくご静聴/ありゃありがとう/忌部の郷の物語/これにて読み切りできました 

ご静聴たまいし皆様の

幾年(いくとせ)長きご健勝/千代に八千代と祈りつつ/私 音頭の幕とする